禁書CP3
□ある日の一場面
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いつの間にか、上条家にステイルがいる光景は当たり前のものとなっていた。
今日もステイルは上条家の居間に座り込み、本を読みふけっていた。
インデックスはその傍でスフィンクスと戯れて遊んでいる。
そして、家主の当麻というと、昼食の後片付けをしていた。
「よしっ!終わり!」
それもたった今終わり、当麻は居間へと戻ってきた。
「ん、お疲れ様。」
ステイルがそんな当麻にぶっきら棒に、しかし、確かな労わりを持って言葉を贈った。
ほんわりと当麻の心に暖かいモノが沸き上がる。
「・・・ステイル!!」
そして、思わず当麻はステイルを抱きしめた。
「・・・・・・どうして君はいつも、そうやって突然なんだ・・・。」
さすがに過剰な当麻のスキンシップに慣れてきたのか、ステイルは抱きつかれたままため息をついた。
「えー、だって、ここは抱きつく場面だろ?」
「どこをどう感じればそう思えるのか、僕にはまったく理解ができないよ。」
ステイルは再びため息をつくと、本へと視線を戻した。
少しの間、インデックスがスフィンクスと戯れる声のみが居間に流れる。
「・・・それで、君はいつまで抱きついているんだい?」
ステイルが不機嫌な顔で当麻に言った。
不機嫌そうな顔をしているが、頬が少し赤い。
当麻は抱きつき、ステイルの頭に顎を乗せたままの体勢で先程からそのままだ。
もちろん、答えるのもそのままの体勢だ。
「いや、こうしてたら、ステイルの身長が縮むかな〜っと。」
「・・・・今すぐどきたまえ!!」
ステイルは勢いよく突き飛ばした。