禁書CP3
□Magic of holy night
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序
彼女は真っ赤なコートを着て、颯爽と街中を歩いていた。
真っ白とも言えるような白銀の髪、緑の瞳を持つ外国人だ。
人目を気にせずに、彼女は堂々と歩いている。
実際、彼女は人目を気にする必要がなかった。
そんな目立つ格好なのに、誰も彼女へと目を向けるものはいないのだから。
「Hyvää joulua・・・」
彼女は小さく言葉を発し、クスリと笑った。
その言葉は日本語でもなく、英語でもない、不思議な響きをもった言葉だった。
彼女は赤いコートを翻し、颯爽と街を歩いて行った。