禁書CP3
□Magic of holy night
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2章 benevolence is norality
「とにかく、こんな路上で突っ立ってると、他の人に迷惑ですから、移動しましょうか。」
その神裂の一言で、当麻たちは近くのオープンカフェへと移動する事にした。
「それにしても、なんでこんな時に魔術なんか・・・。」
ステイルが小さくため息をつく。
「こんな時だからこそ、じゃないのか?クリスマスってキリストの誕生日だろ?」
当麻はステイルの言葉の意味が分からず、首を傾げる。
「まぁ、たいていのクリスマスの意味はそうなんだろうけどね。だが、本来クリスマスには魔術的な意味合いはまったくないんだ。」
「そうなのか?」
ステイルの意外な言葉に、当麻は驚く。
「うん。いまのところ、キリストの誕生日は9月15日っていうのが有力な説かな。」
「9月15日!?3か月も違うじゃねーか!」
「ちなみに、クリスマスが12月25日に決まったのは、4世紀になったからの事だよ。それがとっても、こじ付けの理由でね。3世紀後半、ローマ帝国の皇帝アウレリアヌスが12月25日を太陽神の誕生日と決めたのが始まりだね。キリストは「正義の太陽」、「世の光」と呼ばれており、キリストを神と同一視する風潮があったから、その太陽神の誕生日がキリストの誕生日になってしまったというわけさ。」
「へ〜。」
自分のクリスマスに対しての知識が間違っていた事に、当麻は唖然としてしまった。
「・・・クスッ。」
不意に笑い声が聞こえた。
「え?」
その笑いが、自分に向けられたもののように聞こえ、当麻は振り返ろうとした。
「キャッ!」
「どわっ!」
しかし、偶然に落ちていた缶を踏んでしまい、よろめき、誰かにぶつかった。
相変わらず、彼は不幸である。