禁書CP3

□君の最後と僕の続く時間
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『なぁ、せっかくの大覇星祭なんだぜ!皆で写真撮ろうぜ!』

そして、頼んでもいないのに送ってきた写真。
仕方がなく、女性に無理矢理贈られて、空だった写真立てに入れた。
映っているのは、たくさん。
そこには、当麻とインデックスと姫神と土御門と・・・名前も知らない彼の友達たち。
撮ったのは夜だったから、映りが悪い悪い。
それでも、ちょっとは嬉しくて飾ってしまっていた・・・。





「アニェーゼ、君はあっちを頼む。」

第3次世界大戦後、ステイルはローラに押しつけられた後処理に追われていた。
有能な世界の統治者たちが混乱を収めているとはいえ、それは叶わず続く混乱。
忙しくて、あの事を考える余裕なんてなかった。

「ステイル、ここはもう大丈夫でやんすよ。最近寝てねーでしょ。休んでくだせー。」

アニェーゼがステイルの持っていた書類を無理矢理奪い取る。
口では、ステイルを気遣うような優しい言葉だったが、目は「さっさと休め。」と有無を言わせない迫力があった。
確かに、ここ1週間、ステイルはまともに寝ていない。
2・3時間の仮眠を取っているとは言っても、その仮眠でさえ悪夢にうなされて、まともに眠れていない。

「・・・ああ、そうするよ。」

仕方なく、ステイルは頷き、自室へと足を向けた。
途中、神裂に会い、インデックスの様子を尋ねる。
神裂は首を横に振った。
上条当麻の事を知ってから、インデックスは部屋に引きこもってていた。
彼女は、ここ1年半の記憶しかない。
そこで初めて遭った、近しい人の死。
しかも、彼女の命の恩人だ。
ショックを受けるのは、当たり前だ。

「・・・僕も少し様子を見に行ってみる。」

ステイルがそう言って、インデックスの部屋へと踵を返すと、神裂が不意に声を上げた。

「ステイル。」

足を止める。

「貴方は、大丈夫ですか?」
「・・・大丈夫なわけ、ないさ。」

どんなに、いがみ合っても、どんなに、喧嘩しても・・・。
本当は好きだったんだから。
休日に当麻とインデックスに会うのが、とても楽しみで。
3人で夕食を食べたり、遊びに行ったり・・・。
少しでも、笑顔で、日常を過ごせた事が、嬉しかった。

「でも、もう、そんな日常が過ごせないんだ・・・。」
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