DREAM

□一夜目。
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頭が痛い。
吐き気がする。
あぁ、もうダメだ。

「先生、もう、無理」
「ま、マジか。じゃぁ、休め」

体育の授業中。
真っ青な顔をして、男子の一人がフラフラと抜ける。
そして、石段の上に座り、ダラリとなる。
それを見て、男子がクスクス笑うのが分かった。
必死に笑いを堪えている。
体育の後、笑っていた男子が、抜け駆けした男子に寄りかかる。

「マジで大丈夫か?」
「・・・ふッ」

肩を揺らしながら、顔真っ青だった男が笑い出す。

「はははッ!!はははははッ!!」
「って、やっぱ嘘かよ」
「心配損かい」

彼は、いつも何故かクラスの中心にいた。
ただのお調子者で、サボリ性。
面倒くさがり屋なのに、リーダーみたいで。
子どもに大人気だったりする。
髪の毛が茶色く、ボサボサで、いつも生活指導の先生に怒られている彼だが、人だけはよく、スルーしている。

「ほーぉ。サボリだったのかぁ。それはそれは、良いご身分ですなぁ。篠斑 誠(シノムラ マコト)くん?」
「うげげッ?!」

後ろから聞こえた声。
それは、先程騙した筈の先生。

「ぬ、盗み聞きとは・・卑怯な」
「お前に言われたくないぞ」
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