Novel
□〜VAGUE〜 Return.0 いつもと、かわらない
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今どき古臭いアナログ目覚まし時計の鐘が部屋に響き渡る
止めなくては鳴り止まない不変の金属音の響きに、嫌々ながら腕を伸ばしスイッチを押す
音が鳴り止んだ部屋は嘘のように静かになり、ベッドで毛布が擦れあう音だけがある
体を反転させると、味気ない天井が近くもなく遠くもなく、そこにあった
ただ、思った以上に体がだるく言うこときてくれなかった
痛む体を気にしながら、俺は体を起こしベッドを抜け出す
一瞬冷えた空気を感じ、近くに放ってあった上着を羽織る
時刻は7時であったが、休日のせいか外はまだ静けさがある
いつもとかわらない休日
ただ違うは、外が浅い霧に包まれていたこと