君らの世界

□第七話
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「ここは肉体を離れた魂が現世の穢れを落とし、一時憩いを求め集まる処」

『?』

「其方は河を渡りきる前に、現世からの呼び掛けに応じた」

『??』

「故に其方は現世に戻る事を赦された。
しかし吾は其方に戻られては困るのだ」



小さな子供が嗄れた声で話すのもキモイが、それより何より言ってる事の意味がさっぱり解らない。
てか夢でこんなリアルな会話出来るなんて凄くね?



「時間は限られている。今なら其方はどちらにも進むことができるのだ。
其方の意思で河を渡ってくれ」

『…あの…さっきから話がさっぱりなんだけど。
戻るとか進むとかって何のこと?あと河って?
俺なんかしなくちゃいけないの?そもそも君…貴方は誰?』



何やら選択を求められているらしいことは解るが、どっちが何なのか解らないのにどうやって選べと言うんだ?



「吾は何者でもない。この世界の管理者と覚えよ」



出た。夢ならではの有り得な設定。やっべ!俺最近ファンタジー物とか読んでたっけ?



「…夢では無いが現でも無い。此処は其方等が俗に言う、あの世とこの世の境にあたる処」

『…あれ?俺の頭って透明?』

「其方の魂は元来この世界に属さぬ者。故に吾は其方に直接干渉することができぬ。
完全に呼び戻される前に河を渡り、次なる生へ連なる途へ逝くのだ」



…やっぱり意味が解らないんですけど…。
なんか聞いたことあるけど聞き慣れない妙な言葉が有ったよね?
今この人あの世とこの世の境って言った?
そんでもって河を渡れって……それって三途リバーの事じゃないよねぇえ!?


ちょちょちょちょい待ち!いや待って下さいよ!?
このボウイは俺にあの世に行っちゃいなよyou!って言ってんの!?
怖!なんて恐ろしい子供なんだ!
つかコレ悪夢!?
落ち着け落ち着け。まず深呼吸をしてみよう。
スー、ハー、スー、ハー…

やれやれ。いたいけな子供に三途の川渡って昇天するように勧められるって、夢占いだとどんな結果が出るんだろう?



 
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