君らの世界
□第七話
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勝手過ぎやしないか?
そりゃ別世界から来ちゃった俺は確かに異端だけど、強制排除って酷くね?
確かに自分で飛び込んだのは否定できないけど、望んでこっちに来た訳じゃない。
死んでくれと言われてハイそうですか、なんて納得できるもんじゃないだろ。
「…否か」
無表情だった男の子の目が、初めて感情を表すようにスゥと細くなった。
『生きるか死ぬか選べと言われたら、俺はどんなことがあったって生きる方を選ぶよ。
汚くても浅ましくても、ただ自分で命を捨てるような真似はしたくない』
「戻っても肉体は其方に苦痛を与えるのみだ。
このまま河を渡れば全ての苦しみから解放されるのだぞ」
『それでも俺の体だ』
そうか。
そう呟くと、男の子は一度目を閉じてから真っ直ぐ俺を見つめた。
「吾は其方に直接干渉する事は叶わぬ。替わりに千の災厄を与えよう。その全てを払い除け、生き続ける事が出来たなら其方はこの世界で好きに生きるがいい」
『…は!?』
とんでもないことを言われたような気がして目を剥いた。
その時目の前一面の花畑がキラキラと眩い光を放った。
光の中に男の子の姿が滲んでいく。
徐々に強くなる輝きにギュッと目を閉じると、再び波間を漂うような感覚が身体と思考を浚っていった。
遠退く意識の隙間に、囁く声が微かに聞こえた。
生きてみよ …と
勝手な事言うなぁ!!
口にする前に身体は眠りに落ちるように沈んでいった。
深く
深く