過去拍手
□密着★星と風
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──02:00 p.m.
水族館を見て周り、外に出た姉様達。その後は買い物をするらしく、ショッピングモールのような店が連なる場所へと来ました。
───が、先程から姉様とリョー兄様の姿が見当たりません!
これはマズイんじゃ……ι
「兄様ー……」
「なんだー?」
「絶対、二人に気づかれたよね?!ね!」
「……あはっ。かもな!(笑)」
『わかってるのなら、話は早いわ』
────……。
う、後ろから、姉様の声が!
「ん?よお、珠美!」
……え。普通に話し掛けますか?!
兄様──!?
「はぁ……晃らしいな。
で、なんで衣鈴まで巻き込んでんだ?」
「いやー…それはだなぁ」
「リョー兄様、姉様……」
兄様が理由を言おうとした瞬間、私はそれを遮り口を開いた。
『なぁに、衣鈴?』
姉様がしゃがんで目を見ながら聞いてくれてる。
だから……
「兄様、怒らないで?私もね、姉様達の様子見たかったの」
『「衣鈴……」』
正直に言うと、姉様もリョー兄様ため息を吐いた後に苦笑した。
『衣鈴、興味があるのは分かるのよ?けどね、たまには思い切り息抜きさせて?』
……あ。
困った表情で言われた言葉。その意味が、私にも理解できた。
「ごめんなさい、姉様……これじゃ、追っかけのパパラッチとかと一緒だよね」
ずっと、気を張って演技しているのは、誰でもツライから。
その時、俯いた私の頭に手が乗せられた。
「……リョー兄様?」
顔を上げた先に見た二人の表情は笑っていた。なんで?
『分かってくれたなら良いの。だから、今度は一緒に来ましょうね?』
「本当?」
『もちろん』
「やった!!」
「……珠美」
話しが盛り上がり始めていると、リョー兄様が姉様の腕を引いて立たせた。
『リョーマ……?』
ふて腐れるリョー兄様に困惑する姉様。兄様は、楽しげに様子を見ているだけ。
「尾行してるのが誰か分かったんだから、もう良いだろう。行くぞ」
『あ、うん。
……ごめんね、衣鈴。今日はもう、ついて来ないで晃と帰ってね』
リョー兄様の反応に笑い、こっちを振り向いて言われた言葉。
それを言った時の姉様はとても幸せそうな顔をして笑ってて、とっても綺麗だった。
私はただ黙って頷くことしかできず、姉様達がどこか別の所に行くのを見送った。
「……さ。兄様、帰りましょう!」
「え、帰んのか〜?もう少し二人のあとを……」
「ダーメ!!姉様に怒られちゃうよ?!」
「……それは勘弁ι」
☆えんど☆