過去拍手
□密着★星と風
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──10:45 a.m.
姉様とリョー兄様の後を付いて行くと、水族館に入って行くのが見えました!
水族館……姉様と行くなんて、リョー兄様ずるいっ。
「兄様、今度はみんなで行きたいな!」
「ん?あぁ、そーだな!」
ニッと笑って頭を撫でてくれた兄様の手……気持ち良いです。
──って、そんな事考えている場合じゃない!
「兄様、兄様。行かないんですか?早く行かないと、姉様たち見失っちゃいますよ!!」
「わかってるって!」
ホントに分かってるのかな……?
とりあえず二人が入館したのを確認してから、私達も中に入りました。
「すごーい……お魚いっぱい!」
思わず姉様達に付いて行く事を忘れ、ただただ水槽の中にいる魚達を見つめる。
すると、兄様の笑い声が頭上から降ってきた。
「……兄様?」
私が視線を上げれば、優しい眼差しと出くわす。
「いや〜、あんまり衣鈴が嬉しそうだからな」
このまま、尾行は止めて水族館内を回る?と聞かれ、私は首を振る。
「なんでだー?」
その言葉に、私は思った事を素直に伝えることにした。
「ちゃんと、ゆっくり見て回るのは、姉様達みぃんなが居た時が良いです!!」
「そっか。よーく分かったよ、衣鈴の気持ち」
兄様が納得して笑ったその時、視界の端に姉様達の姿が見えた。
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