過去拍手
□姫と王達の休日
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ここは桜乃邸にある、屋内テニスコート。
そこに居るのは、晃と珠美とリョーマの三人。
「よっしゃー!試合だ試合♪」
「……晃。お前、はしゃぎ過ぎι」
『はぁ……まったく』
騒がしい晃を見て、珠美とリョーマは呆れた視線を彼に向ける。
が、その口元は微かに弧を描いている。
「ライト、騒いでないで準備しようぜ?」
『そうよ。早く打ちたいもの』
その言葉に晃も大人しくなり、準備を始める。
───そう。
久々に、三人だけで打ち合うつもりなのだ。
「ウィルド〜今度こそミリーから5ゲーム取れるといいな☆」
「あぁ。絶対に取ってやる」
ニヤリと意地悪く笑った晃に、リョーマは視線を鋭くさせて青緑の瞳で珠美を見る。
視線に気付いた珠美は髪を結い上げる手を止め、リョーマを見て艶やかに微笑んだ。
『そう簡単に、点はあげないわよ?ウィルド』
「っ……///」
(絶っ対、勝つ!!)
「……ファイト。ウィルド」
赤面する彼を見て、面白いと思う反面、複雑に思う晃。
(まったく。お互い好きなら、さっさと付き合っちまえば良いのになー……)
昔の約束を律儀に守るリョーマに、晃はため息を吐いた。
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