過去拍手

□一筋の光の下に……
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「ねぇねぇ、珠美ちゃん?」

『ん?なぁに、玲』

「どこに向かってるの?」

『ヒ・ミ・ツ〜♪』

「えー……」














孤児院に珠美ちゃんと晃くん達が訪れて数日後。
私…玲と俊は、彼女達のお家に引き取られました。

(気が合うと思ったから……って凄い理由だと思ったけど、それは気にしてちゃダメだよね)


そして今、私は珠美ちゃんに手を引かれて歩いています。質問しても、笑ってごまかされるだけ。


……本当、どこに向かってるんだろう?



















「あれ……珠美、そいつ誰?」


その時、前方から珠美ちゃんの名前を呼ぶ声がした。
目を向けると、そこには私達と同い年くらいの男の子が。


「珠美、ちゃん……?」


そこで私は、彼女の雰囲気が先程と違うことに気付いた。
いつもより、目がキラキラと輝いてるような……












『リョーマ!!』






───え?

何なの!?


珠美ちゃんが男の子の名前(?)を呼んだと思えば、凄い勢いでその子に抱き着いた。


「わっ。珠美、いきなりすぎ……」

『ごめんなさい。だって、リョーマに会うの久しぶりなんだもん』


ふわりと花が咲いたような、嬉しさを満面に出して笑う珠美に、彼はため息を吐いた。

なんで?


「……ま、良いけどさ」










……わー。呆れてたのかと思ったら、それは私の思い違いだったみたいです。

珠美ちゃんに、優しい笑顔を浮かべてました。








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