□波浪
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波浪





もう忘れちゃったような

そんなどうだって良い事

ね、ほら、思い出せない


昨日見た星空の、全ての星の位置を覚えていられないのと同じ事だよ。


君の姿形習癖声質感重量

もう俺の記憶に無いんだ


穏やかさとも程遠い水面。まるで俺の頭の中の様な空間。ひんやりと冷たい淡水が、脳の髄まで浸蝕してくる。


ああ、君は俺の何だった


心までもざわついて、一頻り荒波が打ってなお、治まる事を知らない。


そう君は波にさらわれた


ハロー、グッバイ俺の君


死ぬまで忘れないでいて

そんなどうだって良い事


知らない街で、知らない君で、知らない人間(ひと)で。


いつか俺が君を殺すその日まで





fin


07/04/17■軽いギャグは見逃して下さい…


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