COLORS

07
1ページ/3ページ

…ん、あれ?
今…何時なんだろ?
じゃなくて、カカシはなんでこんな巻きついてきてんだ?
どこにも行かないって。


-episode past-

あ、前にもこんな事あったかな。
まさかカカシとこんな風になるなんて思ってなかったな。
初めて会った時から飄々としていて、遅刻するわすぐ分かる嘘つくわで不真面目でなんでこんな奴が上忍として認められているのか分からなかった。

**************

- 3年前 -

「はじめまして、森沢○○です」
「はたけカカシです。よろしくね」
「…手、離してもらえますか?」
「あ、ごめんね。手小さいねェ、大丈夫?」

第一印象。ムカつく。
人が地味に気にしてる所を初対面で直球で言うか、普通。
ていうか、手を離せ!気持ち悪い!
こんな奴と組んで、クソガキの世話!?

眩暈がする。

20歳の時に暗部に入って、5年間真剣にやってきた。
別に、そんな大層な役職が欲しいと思ってるわけじゃない。
私よりもずっと出来る先輩たちがいるのも分かってるから。
その中でも伝説のように語り継がれている「はたけカカシ」と言う人物に憧れていたのも事実だ。
「木の葉の白い牙」と謳われた「はたけサクモ」のご子息で、それに見合った実力をお持ちの方だ、と聞いた。
わずか5歳でアカデミーを卒業され、中忍試験に6歳で合格。
その後も早逝した四代目火影様のご教授を受け成長され、暗部にいた時も「はたけカカシ」の活躍は耳にタコが出来る程聞いた。

その憧れていた人物と顔を合わせる事となり、割と緊張していたのに…!
なんだこの優男!

「明日からオレたち先生なんだねェ。ねぇ、ちょっとオレの事「カカシ先生」って呼んでみてよ」
「イヤです。」
「○○ちゃん、そんな冷たくされるとオレやる気無くなっちゃうんだけど」
「貴方のやる気はどうでもいいです。それより明日から担当するガ…下忍の情報は頭に入れてるんですか?」
「今「ガキ」って言おうとしたよね?」
「………」

つき合ってられない…!

「本日はお顔合わせだけと聞いていますので、私はこれで失礼致します。お疲れ様でした。」
「え、帰るの!?」

これ以上、一緒にいても不毛だ。


***************


「あら、○○!」
「…アンコさん、またお団子食べてるんですか…」
「いいじゃない、あげるわよ!どうぞ!」
「いりません。」
「今日カカシと初対面だったんでしょ!どうだったのよ?」

そんなニヤニヤして聞かれても…。

「正直がっかりですね。あんな優男だとは思いませんでした」
「あら、でも実力は確かよ〜?」
「それは存じております。それにしても、です」

どんな聡明な方なのかと思っていたら…。
暗部から抜けたら、あんなに気の抜けるものなのか!?
私もあんな風に気が抜けていくのか!?
このまま奴のペースに巻き込まれて平和ボケしていって、腕も鈍っていって…!?

「どうしたの○○、顔青いわよ」
「いえ…別に、大丈夫です」
「あ!紅!アスマ!何してんの〜!?」

アンコさんが声をかけた方を向くと綺麗な女性と体格の良い男性がいる。
綺麗な人…身長も高いな。いいな。

「可愛いの連れてるじゃねぇか。紹介してくれよ」
「この間、暗部から卒業した子よ!小さいからって舐めてると痛い目みるわよ〜」
「卒業って…。変なハードルの上げ方しないでいただけませんか。森沢○○です。よろしくお願い致します。」
「随分堅苦しいな、猿飛アスマだ。よろしくな」
「夕日紅よ。よろしく」

猿飛…。
この方が三代目火影様のご子息のアスマ様。
奴もこの方のように、尊敬の念を抱かせてもらえるような方だったら良かったのに…。
お二人とも偉大な方のご子息であるのに、こうも違う成長を遂げるなんて、その過程が知りたい。

「どうした?俺の顔になんかついてるか?」
「あ、失礼致しました!精悍な方で安心しました」
「?なんの話だ?」
「ふふっ」
「紅?」

しまった。
変な空気にしてしまった。

「私はこれで失礼致します。お疲れ様でした」
「え〜、○○団子食べに行くの付き合ってよ〜!」
「まだ食べるんですか。太りますよ」
「うっ…!アンタそれは言うなって言ってるでしょ…」

よし。アンコさんがダメージを受けている隙に逃げよう。

明日から「先生」か…。




次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ