貴方は私の中にするりと入ってきた。
荒んでいた私の心をぎゅっと掴んで離してくれない。
一人だった私に手を差し伸べてくれた。
COLORS
-episode past-
「カカシ先生!ふざけてませんか?」
「ふざけてないよ。」
「じゃあ、その変な本しまってください!」
「いやいや、だって暇じゃないの」
「もう…私は副担任みたいなモンだから参加出来ないの分かってます!?」
大丈夫か、こいつ!!(年上だけどもういいや!)
今朝だって5時集合って言ったくせに何時間遅刻してんだ!
人の話聞いてんの!?
自分が喋った事覚えてないの!?
口出しするのは私の仕事じゃないから、もう知らない!
*************
数時間後、3名の合格が決まった。
「…あの、カカシ先生…」
「ん〜?」
「すみませんでした。差し出がましい真似をしてしまって…」
「いや、いいよ。話しておいても良かったんだけどね」
「いえ、私の考えが至らなかったせいです。」
私はこの人の上辺だけしか見ていないんだ。
暗部の頃に見た目で判断してはいけないって学んだ筈なのに、この人のあまりのユルさに油断してしまった。
ちょっと…見直したかも。
やっぱりこの人は凄い。
「○○ちゃん、今日の夜って何してる?」
「?…寝ます。」
「そういう事じゃなくてね」
「え、あの…じゃあ、なんですか?」
「夜、ご飯食べに行こう」
「分かりました」
……お誘い、されてしまった。
よし!ここで色々とお伺いして、もう少し「先生」らしくなれるようにしよう!
仮にも「先生」になったんだから!
暗部を抜けてまだ月日が浅いから、一人でなんでもやる癖が抜けない。
先ほど、カカシ先生が仰っていたけど、これからは私もチームプレイの一人になるんだから調和を大事にしなくては。
待機所を後にして、暗部へ翔を迎えに行こうと歩いていると…。
「ちょっと美人だからって調子乗ってんじゃないわよ」
「私たちだってカカシさんとお話ししたいのにー」
「彼女面してんじゃねーよ」