COLORS

09
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ずっとオレが守ってあげるから、一緒にいよう。
君は弱くはないけど、強くもないんだよ。
女の子なんだから、そんなに強くいようとしなくていい。


-episode past-


3名の下忍たちが合格してから早数日。
Eランク程度の任務をこなしている。まぁ、「草むしりを手伝ってほしい」とかそんなやつなんだけどね。
とりあえずカカシ先生だけで手が足りるので、私はあまり任務に同行する事はない。
その間は火影様にサスケとナルトの事をご報告したり、暗部の雑用を手伝ったりしている。この間は拷問部に保管されている拷問具の手入れと在庫状況を整理した。

今日は雨で外に出る用事もないので、待機所で鳥の飼育についての本を読んでいる。
これは翔の為。暗部に預けている時に何かあった時は誰かが気付いてくれるだろうけど、出先で何かあった時は私がなんとかしてあげないといけないから頭に入れておこうと、何度も読み返して確認するようにしている。

「⋯あ、あの⋯森沢先生⋯」
「はい?」
「えっと、カカシ先生が⋯呼んできてほしいって伝言を⋯」

自分で探しにくればいいのに⋯。

「分かりました。カカシ先生はどちらでお待ちなのですか?」
「えと⋯地下の倉庫で探し物を手伝ってほしいと⋯」
「はぁ⋯すみません、お手間を取らせましたね。ありがとうございます」
「いえ⋯」

まったく待機所にいるんだから、此処に立ち寄って声を掛けて行けば良いものを。
倉庫で探し物ってなんでしょうね。もう夕方なんだし私が明日探せばいいのでは?
面倒臭い。

「地下の倉庫って、此処しかないよね?」

確かこの倉庫は古くなった拷問器具とか大量の資料なんかを、とりあえず置いておく所なんだけど⋯。この間、整理した時に持ってきたばかりだし。

「カカシ先生〜、って暗っ。電気付けないで何し」

中に入って電気を付けようとした所で、口を布で抑えられ何かの匂いを感じたと思ったら意識が無くなった。

「ムカつくのよ、あんた」
「ねー、そんなに強くもない癖にさぁ」
「ははっ、ていうか警戒心無さすぎ。いくら強かろうが、こんなのに引っかかってちゃ忍失格。」


**************

「⋯んぐ⋯?」

あれ、声?じゃないな。喋りにくい。なんだこれ、猿轡か?
手⋯も動かせないな。指が固定されてるのか?

「あ、お目覚めですかァ?」
「カカシさんの名前出したらあっさり捕まっちゃうなんてね」
「ふ〜ん、顔、可愛いじゃん。」
「美人さんだね〜」
「コレ本当にヤっちゃっていいわけ?」

なんの話だ。あ、しまった。指、動かない。印が組めないな。
足は動くけど、足首に何か金属製の物がある。
これは知ってる。暗部にある拘束具の一つで確かチャクラが練れなくなるやつだ。
術が使えないなら、自力でなんとかするしかないな・・・。

「!?⋯っん!!」
「へぇ⋯背、小さいけど、結構いい身体してんじゃん」
「おっ、腰細ぇ〜。折れるんじゃね?」
「イイ匂いする〜⋯って、痛ってぇ!」

まとわりついてくる手が、胸やら腰やら無遠慮に触ってくる。
後ろにいる奴を肘で殴り付ける。女3人男3人か。
どうやって逃げよう。このままだと私は輪姦されるって事になるのか?
いや、待て。暗部にいた頃だって、そんな目に遭った事は無いのに。

「ねぇ、楽しんでないで、早くヤっちゃってよ!」
「そうそう!急いでよ」
「なに、そんな急いでんだよ」
「こんな可愛い子と思ってなかったからさ〜」
「な!ちょっとぐらい楽しませろって」

ああ。気持ち悪い。
諜報員で色仕掛けなんかもしてきたけど、それは任務だったから。
任務ではない。それだけで、こんなに気持ち悪く感じるのか。
自分があまり受け入れられていないのは、認識している。
例え、それが仕事が絡まない事柄であっても。
だからと言って⋯これはやりすぎなのではないだろうか。

「!?⋯んん!んぅ!」
「あ〜もう大丈夫だって、すぐ済ませるから」
「ほら、じっとしてないと痛いよ〜」
「やべ、出そう。かけていいよな」
「ははは!お前、早ーよ!」

お腹の辺りに生温い温度を感じる。
なんとか抜け出そうと必死で前にいる奴を蹴った。
ダメか。これぐらいじゃダメージ与えられない。
片足が抑えられていて、上手く力を入れられない。

もう⋯諦めないといけないのか⋯。



「金縛りの術」



低い声が聞こえた。






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