COLORS

05
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せっかくの休みだったのに、ぞろぞろと。
カカシだけでもウザったいのにガキ二人なんて。
なんか…家族みたいじゃないの。



-episode 05-


凪の所でとりあえず支給服の仕立ては出した。
あとは、そうね。
椿の所に顔出して、宗介の所は明日以降にしよう。
日にち決めて、翔を飛ばしとこう。

「○○、椿屋過ぎてるよ」
「え、あっ…」
「どうしたの?」
「どうもしないよ」

椿かぁ…。
あの子はあの子でふわふわしてんだよねぇ。

「あっ!来た来た!○○ちゃん久し振り」
「うん。椿も変わりないみたいだな」
「凪ちゃんの所で何か買った?」
「いや、今日は支給服の仕立てだけ」

あ、この帯締めかわいいなぁ。
黒の服多いから赤とか黄色とかがいいんだけどちょっと普通過ぎるかな。

「あ、その帯締め可愛いでしょ!○○ちゃん用にゴールドを用意したの!」
「わ、可愛い」
「でしょ!私のお手製の簪!」

本当にこの子は器用ねぇ。
あと買い付けが上手い。
この店に置いてある全ての商品は椿が一人で買い付けて仕入れている。
その為良い商品なんかは数も少なく結構すぐ無くなってしまう。
私は"お得意様"って事でこうして手作りの商品を売ってくれたりする。
(表立って商売をしてないから来てくれるお客はみんな"お得意様"なんだけど。凪のとこも同様に)

「ねぇ、カカシ先生。あの人は?」
「ここの店主の椿」
「凪さんとは反対ね」
「実は姉妹なんだよ。凪と椿」
「えっ!じゃあ凪さんが」
「妹」
「えぇっ!!お姉さんかと思った」
「みんなそう言うよ」

私だって最初はそう思ったもん。
でもやっぱりなんていうか内面的には椿の方がお姉さんなんだよね。
それにしても器用だな。
こんな簪作れるんだもんなぁ。

「宗ちゃんの所に○○ちゃんの仕立て上がった服があるから見せてもらいに行って、それに合うように作ったの」
「ああ…確かに合いそうだな」
「○○ちゃんは何着ても絵になるから」
「褒めても何も出ないぞ?」
「知ってるよ」

ん?椿も凪もやる事一緒だなぁ。
こういう所が姉妹なのかな?
視線の先にあるのは私が手にしているのと同じ簪。
値札の隣の可愛らしいポップには"○○モデル"の文字。
こんなの付けてるからって何か違うもんなのか?
大体なんで私だ。
アンコとか紅とかいるだろ。
…っと、紅は休職中か。
そういえばここにも壱姫にも"紅モデル"のポップは見当たら無かった。
仕方ない……よな。

「○○ちゃん、あとコレ」
「ん?何?」
「○○ちゃんの教え子ちゃん達にプレゼント」
「いいのか?」
「○○ちゃんがウチに人を連れて来てくれるなんて初めてでしょ?まぁ…あとお得意様になってくれたら嬉しいし」
「……分かった」

さらりと商業的見返りを求めるような発言を…。
こういうとこが雰囲気と合致しないよな。

「サクラ、いの。これ椿から貰った。礼言っときな」
「わぁ!かわいい!」
「ありがとうございます!」

……まぁ……みんな楽しそうだし良しとするか。

「……何?」
「いやぁ?○○がそうやって笑うとオレも幸せだなぁって」
「は?」
「いいもんでしょ?みんなで騒いでるのも」
「……たまにはな」

木ノ葉の里は今日も平和だ。
青い空に白い雲。
それとたくさんの木ノ葉達のきらきら笑顔。
無事に帰って来れて良かった。




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