DEATH NOTE

許しません
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「皆さん、今日はこの辺でお終いにしましょう」
「え、もういいのか?」
「はい。今日は週末でもありませんし、夜神さんもたまにはご自宅へ帰られてはいかがですか」
「やった!○○ちゃん、夕飯一緒にどうかな?」
「いいですね。だったらいいパスタ屋さん知ってますよ」


またこの人は…。
ただ、今お引き止めしても無駄でしょうね。
食事が終わればすぐにここへ戻ってくるでしょうし。
ついこの間ワタリに"もう少し寛大になってあげたらどうだ"と釘を刺されたばかりだし。


「…き、竜崎!」
「はい。すみません聞いてませんでした」
「私、松田さんと外で食事済ませて来ますね」
「はい」
「済んだらケーキ買って来ますから」
「楽しみにしてます」


○○さん、ケーキさえ買ってくれば私の機嫌が取れるとでも思ってるんですか?
今日はそう簡単にはいきません。
私、負けず嫌いです。
淡々と事務的なやり取りだけ済ませて○○さんと松田はいそいそと本部を出て行った。
残ったのは私と手錠で繋がれている月君だけ。
何が悲しくて男と手錠なんか……。


「竜崎どうした?」
「いえ、なんでもありません」


********


「竜崎ただいま帰りましたー」
「お帰りなさい」
「ケーキいっぱい買ってきたよ〜。なんか苺フェアらしくて苺のケーキばっかりになっちゃったけどいいよね。竜崎苺好きだし。お茶の準備してくるから待っててね」
「はい」
「○○さんってあんなに喋る人だったか?」
「そうですね」


本当にどうしたんでしょうね。
やたら私の名前を呼びますし。
松田と何かあったのでしょうか。
いや松田はミーハーですが、そんな大胆な行動に出る人ではないです。
それに○○さんもふわふわしていそうで、実は意外とガードの堅い女性ですから。
だとすると……告白くらいはされたんでしょうか。


「竜崎お待たせ。月君もどうぞ」
「僕にも?ありがとう」
「月君はコーヒーで良かったかな?」
「何から何までありがとう」
「ありがとうございます」
「じゃあ…私は部屋に戻ります」
「○○さんは食べないんですか?」
「私は最近ちょっと体重増えたので遠慮します」
「………そうでもないとお見受けしますが」
「どこ見て言ってんですか」


どこだなんて言ったら貴女怒るでしょう。
ですが、数日前に見た時には素敵な身体でした。
体重を気にするような身体ではありませんでした。
というか、正直なところ気になります。


「○○さん。二、三お聞きしたい事があります」
「……はい」
「お食事はいかがでしたか?」
「美味しかったよ」
「松田さんと何をお話したんですか?」
「え?えーと」


「○○さんって竜崎の事が好きなんですか?」
「えっ!?」
「もう付き合ってたりして」
「あっ、えと、その」
「やっぱり!だって"大好き"って顔に書いてある」
「………はい」



「…っ!ごめんなさいっ!お休みっ!」
「あっ、○○さん」


松田め。



「松田さん、これの処理をお願いします」
「えぇっ!?僕さっきのがまだ」
「お願いします」
「竜崎、今日はえらく松田にキツいな」
「僕、何かしたんですかね」





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お気に召したなら是非
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