DEATH NOTE

だから言ったでしょう
1ページ/1ページ

何故そんなに必死なんですか。

「おでかけしたいの」
「足りない物があればワタリに言えば用意してくれます」
「そういう事じゃなくて外に出たいの」
「欲しい物があるなら(ネットで)買えばいいじゃないですか」
「だから違うの!」

かれこれ30分程この無意味な押し問答を続けている。
私、無意味な事は嫌いです。
"外に出る"という事がどれほど危険極まりない事なのか貴女は理解出来ないんですか?
まあ、貴女から私に繋げる事は出来ませんが、貴女自身に何かあったらどうするんですか。
人攫いに遭ったらどうするんですか。
それとも、そんな事に遭ってもどうにか出来るとでも思っているんですか。
自意識過剰も甚だしいです。

「……わかりました。では、ワタリと行って下さい」
「え〜?やだ」
「ではお一人で構いませんから盗聴器を「絶対イヤっ!!」
「では、諦めて下さい」
「半日!もうこの際6時間程度でいいから!」
「……4時間です」
「ありがとう!L、大好き!」





その○○さんに根負けして渋々(いや、かなり断腸の思いで)許可したお出掛け当日。
キラ捜査を蔑ろにするわけにもいかないので、出掛ける時にはメールを入れるようにとお願いしておいた。
そして、先程メールが届いた。
"行ってきます!"だけの短いメールでしたが。

「竜崎!言われてた資料出来ました!」
「はい。ありがとうございます」
「竜崎、テンションが低いみたいだけど大丈夫か?」
「いや、竜崎は俺達よりも休む時間も少ないし、疲れてるんじゃ…」
「竜崎、少し休んできたらどうだ?」
「…はい。では、何かあったらすぐに声を掛けて下さい」

どうせここにいても今の私の9割の神経はポケットの中の携帯が鳴る事に向いてしまっている。
部屋に戻ってからも早く私の貴女が帰って来ないか気がかりで、爪を噛む癖が止まらない。
早く来てくれないと深爪になってしまいますよ。

「!」
「……」
「お帰りなさい。随分と早いですね」
「……」
「どうしたんですか?」
「……」
「○○さん?」
「つまんなかった」
「あれだけ必死だったのにですか」
「Lがいないと…つまんない」
「…お土産はありますか?」
「ケーキ、買ってきたの」
「お茶にしましょう」
「うん!」

外なんか出なくても、貴女はここで充分なんですよ。




(どうせつまらなくて、すぐに帰って来るんですから)
(なんか言った〜?)
(いえ、何も)





------------
お気に召したなら是非
[clap]

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ