BLEACH

spring〜彼女の不思議〜
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俺と○○が付き合っている事がみんなに知れ渡ったのは去年の冬の飲み会に参加した時の事だ。
あれから4ヶ月…。
俺達は順調。
変わった事と言えば他の連中の前でも名前で呼び合うようになったり、○○の訳の分からない行動や発言にも随分と手慣れた対応が出来るようになった事。
それに不愉快だが『ミクロカップル』とか陰でコソコソ言われるようになった事などまぁ些細な事だ。
付き合い始めて10ヶ月か…。
後2ヶ月もすりゃ1年か。
季節は春になり桜の蕾が今にも開こうとしていた。
俺は春が来るのが楽しみだった。
と言うのも年末年始忙しくて2人でゆっくり会う時間が全くと言っていいほどなかった。
春になれば新しく霊術院からの卒業生達が入隊してくるくらいで仕事はいつものペースを取り戻すだろう。
だから今年に入ってすぐに○○と約束していた。

「春になったら2人で花見でもして1日のんびり過ごすか」
「えっ!?いいの?!」
「あぁ、年末年始は忙しくて時間を取ってやれなかったからな」
「やったぁ!!なんか私元気が出てきたぁ!!」

俄然やる気になった彼女にそっと目をやれば花見の事を想像しているのかピカピカの笑顔でクルクルと回りながら書類をまとめていた。
その後目を回し、まとめたはずの書類全てがヒラヒラと宙を舞った事は言うまでもない事だが。
このすぐに舞い上がって余計な手間が増えてしまう所はなんとかならないのか?
ただ、そういう所も可愛いと思ってしまう俺はどうにも○○にやられているらしい。
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