BLEACH

勘違い
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最近俺はある事に悩んでいる。

「お早うございます」
「お早うございます、三崎四席!」
「お早う。檜佐木副隊長お早うございます」
「おう。お早う」

九番隊第四席三崎○○。
最近六番隊から移隊してきた奴で、流石六番隊に居ただけあって真面目で仕事に無駄が無い。
九番隊に移動してきてから三月程しか経っていないのに既に馴染んでいて下位の席次の奴からの信頼も厚い。
なんの悩みも無いように見えるが俺には大問題がある。
もしかすると俺は『そっち』の領域に踏み込んでしまうかもしれない。

「副隊長?如何されましたか?」
「あ、いや別に」
「こちらが六番隊朽木隊長、八番隊伊勢副隊長、十番隊日番谷隊長、十二番隊涅隊長の完成原稿です。それとこちらが先月に実施したアンケート結果です」
「もう集めたのか?」
「今日の朝一で回って来ました」
「さんきゅ」

後から行こうと思ったんだが手間が省けたな。
いつもこうして後回しにしがちな事を先にやってくれたりする、よく気がつく奴だ。
ただ、コイツ男なんだよな。多分。
まだ確かめた事は無いんだけどな。
いきなり『胸触らせてくれ』なんて言えねぇし、『女なのか?』なんて失礼で言えねぇし。
阿散井に聞きゃ済む話だが、なるべくアイツには知られたくねぇ。
弱味握られた感じするだろ?
この手の事は結構自信あったんだけどな、まさか俺が男か女か分かんねえような奴に惚れるとは。
よく見ると身体の線は細いし、肌も綺麗だしなぁ…。

「檜佐木副隊長、自分の顔に何か付いてますか?」
「いや!別に!」
「具合が優れないのでしたら副官室で休養をお取り下さい」
「平気だ。業務に戻っていいぜ」
「はい。失礼致します」

ジロジロ見るの止めたいんだけどな。
どうしてもこう……目が行くっつーか。
2、3日前にウチの隊士(女)が話してたんだよな。


『ね、さっき三崎四席と話しちゃった』
『えー!?いいなー』
『ちょっと具合悪くて机に伏せてたら『大丈夫ですか?四番隊までお送りしますよ』だってー』
『あの顔で心配されたら弱いよねー』
『ねー!今度私もやってみようかなーなーんてね』



おいおい、隊舎内で堂々と仕事サボる話してんじゃねぇよ。
つーか俺も立ち聞きなんて悪趣味だろ。
あれだけ女が騒いでんだ、きっと男だ。
まぁ、可愛い顔してるし、人当たりは良いし、物腰は優しいし、真面目だし、付き合うならああいうのが女ウケいいよな。
近いのは……四番隊の荻堂みたいな感じか?

つまり俺は三崎が好きで、男相手にマジになりそうで怖いって事だ。
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