NARUTO

忘れえぬ人
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………。
ゆっくりと意識が浮上してくる感覚にだんだん脳が先に稼働しだす。
もう一度眠りにつこうと強く目を瞑ってみたけど脳が動き出してからでは、どうも無理みたいだ。
布団を剥がして時計に目をやると午前3時を指している。
いつもより早いなぁ…。
まぁいいか。
完全に目を覚ますために風呂へ向かう。
冷たさの残る温い水温のシャワーを浴びて、いつもの忍服に着替えた。

「行ってきま…!」

誰もいない部屋へ声を掛けた時に自分の首元の違和感に気付いて慌てて洗面所に駆け込んだ。
えーと…確か風呂入る時に外して…この辺りに、あった!
探していた目当ての品はシルバーのネックレス。
ペンダントトップはスクエア型の飾り。
この飾り。実は開くようになっていて中にはオレの大事な娘の写真が入っている。
気持ち悪いとか言うのナシね。
写真の彼女にキスを送って再び家を出る。

「行ってきます」

家を出たオレが向かう場所はいつもの慰霊碑。
『あの日』から一度も欠かした事のない日課。

おはよう。
今日も晴れそうだよ。
風が乾いてるからね。
ん?
こんな所に来てる暇があるなら彼女の所に行け?
分かってる。
あとでちゃんと行くよ。
ていうか、言われなくてもお前よりも大事にしてるんだから。
だったらここに来るな?
そんなに邪険にするなよ。せっかく来てるんだから。
今日はね、任務無いが代わりにナルトとサクラに甘味奢らないといけないのよ。
別にあいつらに敗けたわけじゃないからね。
ただ、ちょっと遅刻しただけだよ。
あれ?
もうこんな明るいの!?
マズイな。今日も待ち合わせに遅刻だね。
早く行けって?
いいじゃないの。今日は別に任務じゃないし、奢るのはオレだし。
だいたいお前だってよく遅刻してオレに怒鳴られてたじゃないの。
ま!あの頃の事はこの際、水に流してちょうだいよ。
……じゃ…オレそろそろ行くよ。
いい加減にしないとマジでサクラに殺されそうだしね。
また明日来るから。
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