NARUTO

巡る記憶
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奈良シカマル16歳。

まためんどくせー場面に出会しちまった。

「ごめんね、でも気持ちは嬉しいから」
「はい、お時間取らせてしまってすみません」

アカデミーの昼休みの空き教室。
数年前はオレもここにいたんだよなぁ。
前の席に○○が居て、いっつも寝たフリしつつイルカの話を真面目に聞いているのを見てたな。
懐かしいな。

「またかよ」
「…っ!シカマル、盗み聞きなんて趣味悪い」
「たまたまだ」
「そう。で?私に用があるんでしょ?」

コイツの名前は佐久間○○。
オレの同期だ。
そんで、オレの彼女だ。
そして、めんどくせー事が嫌いなオレが何故わざわざアカデミーなんかに来てるのかというと○○の為だ。
○○はオレと同じ中忍だが、アカデミーの教師をやっている。
だから、こうして時間を作っては○○に会いに来ている。
一日の大半をアカデミーで過ごす○○と任務に駆り出されて里を空ける事の多いオレ。
付き合ってなきゃほとんど接点なんて無いオレと○○。
アカデミーに居た頃でも、下忍の頃の班構成でも本当に接点が無くて、オレは遠くから見ているしか出来なかった。
ましてや声を掛けるなんてイケてねー派のオレには出来ない芸当だ。
だから…○○と同じ班のオレと同じイケてねー派のナルトが正直羨ましかった。

『同じ班』

ただそれだけで○○に近付く権利を持っているんだと思い知らされているようで。
オレは臆病者の腰抜けだから。

そんなオレ達がどういう経路で付き合うようになったかというとオレが中忍になって暫くしてから報告書を出しに行った時に受付やってんのが○○で夕飯に誘って……まぁ、その時だ。

あん時ゃ恥ずかしかったな。
『好きだ』の3文字を言うだけなのにすげー時間掛かって最後の方とかもう○○の瞳が不審物でも見るかのような瞳になってて…。

「シカマル?どうかした?」
「……別に」
「ご飯行く?」
「おう」

つーか元々昼飯の誘いに来たんだよ。
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