黒子のバスケ
□彼氏的特権
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『試合お疲れさま。
先に帰ってるから
来るならおいで。
お祝いしよう』
あの人らしいメールだな。
用件のみの絵文字なし短文。
あの王者・秀徳に俺たち誠凛はギリギリだったが勝利を収めた。
1日2試合、そのどちらも『王者』と呼ばれる強豪校。
正直今はまだ実感が湧かない。
実感というより先に進めるという新たな気合い、歓喜、興奮。
色々な感情が胸の内で混ざって落ち着かない。
気が付けば彼女のマンションに辿り着いてチャイムを鳴らしていた。
「○○、俺」
「早かったね」
彼女の弾む声に会いたい気持ちが一層増していく。
エレベーターがいつもより遅く感じる。
「おかえり俊!」
「ただいま」
「雨、大丈夫だった?」
「うん」
「ご飯は?」
「食べてきた」
「そっか。とりあえずおめでとう!」
俺から受け取った制服をハンガーに掛けてタオルで拭いてくれる。
それと俺のユニフォームとかタオルとかを洗濯するために部活用のバッグを手にランドリーへ。
そんな事、後でいいよ。
「……俊?」
「○○」
「……っ………ぅ……ふぁ…」
「ね、しよ?」
「ちょっと待って、洗濯機回してから」
「明日でいいよ」
もう待てない。
早く抱きたい。
○○を抱えて見慣れた寝室へ運ぶ。
まだ何か言いたげな○○を余所に深く口付けたまま、そっとベッドに組み敷いた。
こんな自分勝手なやり方、俺だけに許される事だよな?