07/28の日記
19:36
金魚の箱 後編その2
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「金魚鉢はねぇ、狭いですよ。しかも背中からははまずいですよ。苦しいでしょう流石に」
京極は湯飲みを握り締め俯いている。
や、やりすぎたか?
私はすっかり忘れていた。
私達の話を庭で聞いている人物が居ることに。
案の定、高笑いと共に障子が勢いよく開いた。
「あははは、京極。お前本当に猫好きだな。僕より好きだろう?にゃんこ」
榎木津が凄まじい勢いでとどめを刺す。
京極は未だ俯いたままだ。
榎木津の後ろには苦笑いの木場と関口が居た。
その関口が最悪の一言を口にした。
「からかうなよ、榎さん。京極堂には似合わないが、可愛いらしい趣味じゃないか」
これは、きつかった。
三十過ぎの男に向かって、可愛らしいは無いだろう。
京極は唐突に立ち上がり無言でどこかに行ってしまった。
「呪われますね、関さん」
「呪われるゾ、関君」
「祟られんなあ、関口」
みんなに白い目で見られ、関口は汗をだらだらかきつつ大慌てで京極の後を追った。
ねぇ、
私は呪われないよね?
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