六神将
□接触
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「アリエッタ!!どこだ!!」
ガイは大声でアリエッタを呼びつける。
背後から、か細く幼い女の声が聞こえた。
「…アリエッタ、ここ。何か用?」
おずおずと出てきたアリエッタは、ガイが恐ろしいのか手にした人形をいつもよりも力を込めて握っていた。
「魔物を貸せ。」
「…ルーク、探しに行くの?」
「お前には関係ない。さっさと出せ!!」
いつにない剣幕で捲し立てるガイに、アリエッタはビクッと体を震わせた。
眉間のシワはいつから刻みついたのか、消えることなくガイの中心に線を描き続けている。
人が変わると、人相も変わってしまうものだ。
アッシュとルーク、イオンとシンクがいい例だ。
アリエッタは魔物を呼び寄せガイに与える。
あの優しそうなガイの面影はまるで無い。
敵ながら少しあこがれていたアリエッタは、ガイの変貌ぶりを嘆く人間の一人だった。
魔物に跨るガイに、勇気を出して声を掛ける。
「あ…あの、ガイ…」
「…何だ」
「私、ルークに魔物を貸したの。その時、ルークの気持ちを確かめたいって、言ってた…。」
「ルークの気持ち…?」
「…レムの塔か!!」
自分のオリジナルのレプリカルークが果てた、墓標。
毎日足を運んでいるため、ルークが同行しているときは一緒に連れて行っていた。
右も左も分からないルークにも、あそこだけはこのオールドラントのどこにあるのか場所が分かってもおかしくない。
ガイは魔物を繰り出し、レムの塔へ向かった。