六神将
□接触
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僕は何のために生きて何のために死ぬんだろう。
あなたがいれば、それでよかった…。
『接触』
「ルーク!どこだ!!」
消えたルークの消息を追って、迷路のような教会内をくまなく走り回る。
こう広くては、もし教会内にいたとしても逃げ回られては捕まえようもない。
結局ルークは見つからず、一旦部屋に戻る事にした。
重い扉を開けると、緋色の髪が視界に写る。
「…みつかったのか?」
「……」
ガイに組み敷かれぼろぼろになったアッシュが、掠れた声で聞いた。
もう起き上がる気力もないのか、ガイに暴かれたままのあられもない姿でベッドに横たわっていたアッシュ。
瞳には生気がない。
「はっ…おまえはとことんアイツが大切なんだな。オリジナルの俺よりも、レプリカのあいつが…。」
「……」
否定はしない。
今のルークが自分の愛したルークとは別人だと分かっていても、体はルークという単語に反応するのだから。
「…俺はお前の思い通りにはならない…オリジナルの俺がお前の思い通りにならないんだ。レプリカのあいつらだって…」
バシっ…!!
「痛…!!」
アッシュが言い終わる前に、ガイはアッシュの頬を力任せに叩いた。
そして横たわるアッシュに馬乗りになり、首を絞め始めた。
「ぐ…!」
「黙れ…燃えカス。お前がそんな口を利けるのか?この世から阻害されてなお俺を求めたのはどこのどいつだ…!」
アッシュは抵抗するが、先ほどの情事で体力を使い果たし、殆ど力が出ない。
ガイが首を絞めていた手を放すと、苦しげにぜいぜいと空気を吸い込む。
「フン…」
ガイはベッドから降り、扉を開け再び教会内へ足を向けた。
そしてまた、扉を開けて協会へ向かった。