お宝小説

□Residence Labyrinth
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好きなだけ逃げ回れば良い……




閉ざされた迷宮の中で
必死に逃げて逃げて





そして最後にはルーク







お前を俺にくれよ?








『Residence Labyrinth』




「ハァ……ハァ…っ……」


ここまで来れば大丈夫だろうか
もう時間を忘れるくらい走り回ってる


体力は勿論の事、足にも限界がきてそろそろ危ないな………
でもここで止まってしまっては捕まってしまうだろう


身体に無理させてでもここは何とか逃げなきゃいけないんだ……!!











俺がこんな事になる羽目になったのはほんの数時間前の事










俺は屋敷に戻って、ガイがマルクトに戻ってから暫く経って急に呼び出された


屋敷に居たときは四六時中一緒に居たから、ガイが居ないのは何か変な気分で最初は不安感が襲ってきた


怪我はしてないかだとか疲れていないだろうかとか…
俺の不安感は所詮その程度のものだけど
もうずっと会ってないと心配の色に侵される






そんな時だった


「ルーク、ルーク」



母シェザンヌの声がノックと共に部屋のドア越しに聞こえてくる
何かあったのかととりあえず急ぎ目にドアを開けた


「ルーク、良い知らせですよ」

「良い知らせ?なんですか、母上」


穏やかな表情を見せるシェザンヌの手には一枚の封筒が握られていた


「ガイから貴方にへと預かった物です」


「ガイから?!」


久々に聞く名前
何よりガイから俺への手紙だなんて凄く嬉しかった


使用人でなくなってもまだ俺を親友と呼んでくれてる
流石にマルクトに戻って何の音沙汰のない事には正直凹んでたけど





……とりあえず今は手紙の内容だ


シェザンヌは手紙を渡すと、屋敷に戻って来てからあまり笑顔を見せなかった息子の表情に安心して私室へ戻って行った



そんな母を見送った後、ルークは気になって止まない手紙の封を切った





(…何だろう………。)



そればかりが気がかりで不器用な手先で手紙を開く


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