短編

□スパ☆バケーション3
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ここは雪のリゾート・ケテルブルク。

幻想的な景色を求め、恋人達が集う場所。



高級なリゾートホテルのスパでくつろいだ後はホテルのレストランで高級料理を堪能し、ラウンジでカクテルを味わい、そして雪の幻想が見渡せる部屋で甘い一時を…。

それが定番メニューだ。

もちろん俺もそのコースが狙いなのだが…。





(もういないよな…あいつ)


二度も邪魔してきたジェイドの影がないか、辺りをキョロキョロと確認する。


「何?どうかしたのか?ガイ」


「いっ…いや、なんでもないよ」


首を傾げるルークに満面のスペシャルスマイルで答える。


しかし…キョトンと首を傾げるルークはマジカワイイっす…




鼻血が出そうなところ間一髪で我に還った。




今、俺はカワイイ俺のルークとケテルブルクに来ている。久しぶりに与えられた自由行動の2日間を、二人きりで満喫するためだ。
いいムードになったところでこの7年間温めてきた想いを伝え、そしてあわよくば…の予定のところ、なぜか突然現れたジェイドに尽く邪魔されている…。
何の嫌がらせなんだ、全く…





まさかここまでは付いてこないとは思うが。
完全予約制のレストランだ、入ろうとしたところでつまみ出される。



「おいしいか?ルーク」



「うん!屋敷の料理より美味いぜ!俺、マルクトの味付けの方が好きかも!」


「そっか、よかったな!何なら俺の屋敷に嫁に
「お客様、メインディッシュのエンゲーブコーチンソテー〜風に抱かれて〜でございます」


「わー!うまそーなチキン!」



俺の本気半分冗談半分のセリフに被さり、メインディッシュがやってきた。
もちろん、ルークのために好物のチキンだ。高級血統の地鶏らしく、ハッキリ言ってその辺の和牛より高い…。


うめーうめー言いながら口の回りにゴハンをくっつけ、ボロボロとテーブルにこぼされるチキン。


「慌てて食べなくてもいいぞ。ほら…口の回り汚れてるぞ。ったく、しかたないなおまえは…
「お客様、ライスでございます」
「…………」


ルークの口を拭おうと手を伸ばした瞬間、またしてもボーイに邪魔される。


てめぇ…配膳者としての教育を受けてないと見える…なんなら俺がみっちりと教育してやるぜ!シグムント流超スパルタ形式でな!


軽くガンを飛ばすが知らん顔でキッチンに戻って行く。


「チキンと米サイコーにうめー!」


ちっ…カワイイルークに免じて許してやるぜ。
命拾いしたな…!





運ばれてきた料理を完食し、満足げに反り返るルーク。
…いつもより腹の露出が増えてる…


水着姿もいいけど、この男心をくすぐるチラリズムが何とも憎らしい…



「ふー!うまかった!デザート何かな?」



「ん〜、確かアイスの3種盛りだったぜ」


「へー、さみーのにアイスが出るんだな〜。ま、好きだからいいけど。ハラ壊すかな?」
「大丈夫だ。そうしたら俺が優しく撫でて温
「デザートのアイス3種盛り合わせ〜僕も君をアイス〜でございます」
「………っ」

「うわー!スゲーカラフル!こんな色のアイス見たこと無いぜ!」


「……?」



確かに…明らかに着色料バンバンですってカンジだな…
高級レストランで見る類いのものではない気がする…
嫌な予感。


「いっただっきま…」

「待てルーク!」


「ん?何で?」


止めるより先に口に入った…!




だって…明らかにあの鬼畜眼鏡の臭いがプンプンするぞ!!


「大丈夫か!?何か変わったところ無いか!?」


「ん?別になんともないけど…このアイス美味いぜ?ガイも食べてみろよ」


「……気のせいか…」



結局、アイスをすべて平らげてしまった。(意外と美味かったし)今のところ異常は無いが…。



「ハラもいっぱいだし、部屋戻ろうぜ!」


「ああ…」


と、席を立ったその時、キッチンの方に何やら青いものが見えた気がした…。



(?気のせいかな…)




早く〜とごねるルークに引っ張られ、レストランを後にした…。




to be continued…

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