□ドント・セイ・グッバイ
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「ぼっちゃま、何やってるんですか」

「お前こそ何してんだよ」

「ぼっちゃまに抱き着いています」

「何でだよ」

「小さい子ってどうしても可愛いんですもの」

「……確かに俺は小さいけどよ」

「ええ。ちょうど良いサイズですわ」

「お前サイズって…」

「では大きさでどうでしょう。それで駄目ならば身の丈、それで駄目ならば長さ…いえ、打つ手無しですわ」

「何を言いかけた」

「意外とボキャブラリーの無い私めに失望してしまったでしょうか。どうか許してください、キルアぼっちゃま」

「大丈夫だよ。ちょうど良いくらいに失望してるし俺の心は10メガバイトだから」

「キルアぼっちゃま、過大評価も程々になさいませ。あなた様は常に現実を見なくてはならないのです」

「お前重く失礼だぞ」

「ぼっちゃま、こんな姿たとえ使用人にでも見付かってしまったら大目玉を喰らいますよ」

「わかってるなら離せばいーだろ」

「そうはいきませんわ。だって私めは、あなた様が居なくなってしまうと少なからず寂しいですもの」

「…あんがと」

「素敵なデレをありがとうございますぼっちゃま」

「デレとかゆーな」

「だからぼっちゃま、私めの事は綺麗さっぱり忘れてください」

「…何でだよ」

「それはあなた様が大目玉を喰らってしまったら私どもに飛ばっちりが来ますし、少なからず悲しいからです」

「…めんどくせーな」

「そうですその息で綺麗さっぱり美麗さっぱり水に流してしまってください」

「お前ってたまにちょっと俺の言葉届かねーよな。圏外にでも入ったのか?」

「…ええ。そうならば、幸せです」

「何なんだよ」

「ぼっちゃま、」

「何」

「次はもっと大きくなったあなた様に会いたいです」

「あっそ」

「つれないですね」

「知るかよ。お前こそもっとそのお情け程度の胸育てとけよ」

「私めに胸を育てさせて何をするのですかぼっちゃま」

「ヒミツだよ、ヒーミーツー」

「…それは背の伸びたぼっちゃまを見てから考えますよ」

「よっしゃ死ぬ気で背ェ伸ばしてくんよ」

「ぼっちゃまをこんな風に育てたのは誰ですか」

「それはきっと歪んだ僕の御家族とこの世界とお前だよ」

「あなた様とたったの4つしか変わらない私めに何かが出来たのでしょうか」

「…もっかい言っとくよ。あんがとな」

「ええ。どういたしまして。あと素敵なデレをありがとうございます」

「しつこい」

「ぼっちゃま、」

「んだよ、俺もう行くよ」

「今度帰る時はお友だちを連れてきてください」

「わかった」


「………私めは、キルアぼっちゃまは心の広い方だと自負しております。だからどうか、無理なさらずに逃げてください」

「……言われなくてもわーってる」

「ではまた。お元気で健やかに成長して下さいねぼっちゃま」

「最後の最後まで希望をぶつけるなばか」

「さよなら、小さなぼっちゃま」

「黙れお願いだから」


ドント・セイ・グッバイ

次会う時はその口あんぐり開けさせてやるよ





――――――
最初のハンター試験に出掛ける前のはなしのつもり
色々気にしないでください^^




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