Doll And Dolor

□Dos-Mentira
1ページ/6ページ

──ルキアが、いなくなった。

しかもそれは、現世での出来事らしい。

その事実を隊長である藍染から聞いた歩は、驚く前に呆然とした。

すとんと表情が抜け落ちた歩を労るように、藍染は彼女の頭に手を置く。

「笠寺君には辛い知らせだったね……もう少し、僕も言葉を選ぶべきだった」

「いえ……すいません。でも先ほどの話は」

「こう言うのも心苦しいが、どうやら真実のようだ」

悲しそうに目を細める藍染の言葉には、やはり嘘偽りはない。彼はこういった状況で嘘をつくような人ではないことも、歩は熟知している。

そして藍染も、歩のことを熟知している。だからこそ嘘をつかなかったのだ、彼は。

「……他の方には、仰ったのですか?」

「僕から直接言ったのは笠寺君だけだよ。でも、きっと皆もう知っているはずだ」

その藍染の言葉に、歩は少しばかり息を吐いた。

しかし安心など出来ない。 再び歩が目を伏せると、藍染も手をどけた。

.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ