Doll And Dolor
□Tres-Defecto
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「なーにやってんだ、お前?」
「うぉッ!?」
にゅ、と半田の頭上から顔を覗かせたのは最近ルキアを通して知り合った阿散井恋次だった。
靜霊廷のとある一角、階段に力なく腰かけていた半田はうっかり足を踏み外し、こけた。
「いっ……ってぇ!」
「おいおいホントに大丈夫かよ半田。四番隊行くか?」
「阿散井副隊長が驚かすからでしょ? いってぇ……腰打った」
「つーか俺ちゃんと声かけたぜ? 聞いてなかったのはおめーだろーが」
「ぐ……」
そうだったかもしれない、と口をつぐむ半田に、恋次は明らかに呆れた様子で嘆息した。
「つかよ、おめーのこと、結構有名な噂になってるぜ?」
「俺、……すか?」
「日番谷隊長。まーた何かあったんだろ。乱菊さんがそう言ってたぜ?」
「何もねぇっすよ」
そうすぐ言葉が出てきたのは、条件反射のおかげだった。しかし、もちろん恋次はそんな言葉で納得するほど単純ではない。それで納得できる奴と言ったら、それは相当の馬鹿か単なる子供だろう。