Futuro
□Seise-Viaje
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「君は馬鹿か?」
どうやらアルコが詰問中にあてがわれたのだろうアスランの小さな個室にて。
一連の流れを話し終えた途端に、アスランから上記のような一言が降ってきたのだ。
ベッドに腰かけるアスランを見上げながら、アルコはあははと乾いた笑いを浮かべてみせる。
ちなみに彼女は今、アスランの前に正座していた。
「さすがに俺でも予想だに出来なかったよ。まさか君が父親の目の前で父親を殺すなんて」
「アスランさん。ややこしくなってますよー」
「君がややこしくしたんだろう!? それにシンから聞いてなかったのか? シンはそういう話に相当デリケートなんだぞ?」
「聞きましたよ。今さっき」
「そっちのシンじゃなくて君の父親のシンだ!」
両方アタシにしてみたら立派なお父さんでーす、と言ってみれば、とうとう呆れたようにアスランがため息をついた。
ギュッとシワの寄った眉間に指をおくアスランを見、こういう大人っていつも苦労するんだろうなあとアルコは何となく思う。
少なくとも、自分の父親とは似ても似つかない。