Doll And Dolor
□Cinco-Verdadero
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その日歩は半田と共に内海に呼び出され、一足早くその凶報を聞かされた。
彼らの足は、ルキアが投獄されているという六番隊へ向かっている。
「……嘘じゃ、ないんだよな?」
「まあ、多分ホントじゃない? 今からそれを確かめに行くんだし」
薄い希望をこめた半田の問いを、内海はばっさり切り捨てた。
ただ一人、内海の足取りだけが軽やかである。
「百哉の情報は確かなはずだけどねー。ほら、あの子嘘つかないからさ」
「……それは、分かっちゃいるけど」
「あはは、半田は優しいからねぇ」
からからと、先行する内海が笑う。しかし半田は眉尻を下げ、歩は眉根を寄せて、それぞれ応えた。
六番隊に着くまでずっと、内海が軽い調子で喋っていた。それに時折半田が応えるが、歩は一貫して沈黙を貫く。
死刑囚?
ルキアが?
ふざけるんじゃない、と奥歯を噛み締める。
二人の会話も耳に届かないほど、歩は「憤って」いた。