文
□あかあおきいろ
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「…それは一体いつになったらおわるのです?」
げんなりとした表情で景麒は己の主を見やった。
「千だ。千、折ったら終わる。」
飽きもせず、ずっと折っている。
何の意味があるのか、景麒には全くわからなかった。
「…主上、」
「おまえも折ってみろ」
言いさした景麒を遮り、赤い紙を差し出す。
「泰麒の為に。」
何がなんだか全くわからなかったが、主の髪の色に似たこれを受け取ってしまった自分もきっと手伝わされてしまうのだということだけは、理解できた。
卓の上には色とりどりな鶴が、まだ10羽程しかいなかった。