幸せの欠片

□幸せの欠片〜3〜
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屋上





「なんで早瀬輝と
お昼食べなくちゃいけないの」


「どうせ、食べる人いないんだろ?友達いなさそうだしな」

あたしがさっき買ってきてあげたミルクパンを
頬張りながら言った



…その通りだけどさ




「つかフルネーム止めてくれない?」


「…早瀬輝?」


「俺さ、自分の名前嫌いなんだけど」


「輝…?」


「呼ぶなボケ。」


「なんで?」


「…女子っぽいから」



ひかる…… 確かに



「でもあのお調子者くんに“輝”って呼ばれてるじゃん」


お弁当のたまご焼きを突っつく



「…お調子者?
あぁ…南?アイツは小学校からの付き合いだから良いの」

しょ…小学校……


「ふーん。仲良いんだね」


「別に」


「あたしは輝って名前
好きだけどな」


「だから呼ぶなって…」


「あ…。じゃあ何て呼べば良い?」


「ご主人様」




…アホだ





「早瀬…ね!」


「…呼び方なんて
どーでも良いけど」


「じゃあ輝!」


「無理」




…どーでもよくないじゃん



「アンタさ、アニメ好きなん?」


「え…?う、うん」



今さら隠すことじゃないし


「だから男、できないんじゃね?」


「…うるさいなぁ」




コイツは嫌味ばっかだ




「早瀬は?彼女いるの?」


「俺?…まぁ、いるっちゃいるけど」




いるんだ…
きっと 美人なんだろうな
こんなイケメンだもんね
中身 最悪だけど










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