Dear love

□Dear love 6
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公園を出て人混みの少ない道に出てきて 嵐はやっと手を離してくれた
























「…嵐…… 何であそこにいたの…?」






嵐は前を向きっぱなしで
あたしのほうを向いてくれない

















「…言っただろ。俺がお前を守るって」










振り返って あたしの顔をまっすぐに見る




















「香奈に桃に公園に来てもらうように頼んで…… 俺はずっと香奈のあとをつけていたんだ」















嵐は壁に寄りかかった


















「…もう… 大丈夫だから」
















少しだけ汗をかいていて
優しく微笑んだ嵐に
あたしの心臓はドキッと
鳴った



















「…ほんとに…… あたしっ……」






「ん?何?」







嵐はあたしに近付く

















「あたし… 嵐を好きでいて良いんだよね……?」





















嵐は“当たり前だろ”
と言って 優しく抱きしめる



























「…香奈…… 好きだ」






























嵐が好きすぎて
おかしくなりそうだよ…



















ねぇ… 嵐もそうだよね?




















































夏休み明け








あれからは桃先輩からの
電話もないし 嫌がらせみたいのもなくなった







本当に良かった





















…だけど


























深く 傷付いてしまった
人がいる

































「…優花…… おはよう」








教室に入り まずは
あいさつをしてみる















優花の顔のアザは
すっかり良くなっていた













だけど 表情は暗いまま




























「優花… あのねっ…


















「香奈…って最低だよね」









「優花のでしょ? 傷をおわせたのって香奈のせいなんでしょ?」











ヒソヒソと女子の会話が
耳に入ってきた



















「ねぇ 香奈」







一人の女子生徒が
話しかけてきた


























「あんたの彼氏の元カノとあんたとでトラブって
優花を巻き込んだって…
本当なわけ?」














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