Starry Sky
□ウソでもおやすみ
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放課後。今日は部活じゃなくて生徒会。職員室に行ってたらいつの間にか鮮やかな朱が一面に広がっていた。
もうこんな時間なんだ、なんて思いながら、朱い絨毯となった廊下を歩く。
生徒会室の扉を開けると、会長しかいなかった。テーブルには一枚の置き書き。気付いて手に取った。
『僕と翼くんは事務室に行ってきます。
会長はしばらくそっとしておいてあげて下さい。
すぐに戻ります。
青空』
(また夜更かししちゃったのかな…?)
カリスマ性が高いこの会長は、例年よりも仕事量が多い。寮にまで仕事を持ち帰るほどだ。営業マンか何かですかって聞きたい。
だけど、それだけ一生懸命な会長はカッコイイと思う。
そっと近寄った。本当に熟睡してる。後ろからは暖かい朱の陽射し。気持ちいい。寝る気持ちも分からなくないかも。
「会長」
いつもの「なんだ?」って返事はない。でも心には聞こえたような気がした。
「おやすみなさい」
会長が小さく笑ったことは気のせいにしておこう。
(ぬいぬいー!)
(会長、そろそろ寝たふりは止めて下さい)
(…バレてたか)
(プラウザバックでお戻り下さい。)