Starry Sky

□王子様とお姫様は結ばれました
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「郁って大学ではモテてるんだよね」


彼女が家に遊びに来た。ゲームとかある部屋じゃないから、のんびりお茶をしていると、いきなり言われた。


「どうしてそんなこと訊くの?」
「質問してるの、こっち」


おや、今日の彼女は強情だ。引く気はないらしい。
この子はちょっと頑固なところがあるから、こうなるとこちらが諦めるしかない。
否、言いくるめる方法なんていくらでもあるんだろうけど、僕がなるべく彼女の我儘を聞いてあげたいだけなんだ。
結局、惚れた弱みってやつ。


「たぶんね」
「…曖昧」
「何?君は僕に、はいモテてますって言ってほしいの?」


彼女は勢い良く首を振った。ま、当然だよね。


「本当に多分なんだよね。モテてる、なんて自覚ないし。昔は知っての通り、女友達と一緒にいることが多かったけど、君と付き合ってからは男友達といることが多くなったよ。これでいい?」
「…うん」
「じゃあ、今度はこっちの番だよ。君は何でこんなことを訊いたの?」
「…………」
「無言はなし」


すると彼女は唸り始めた。
これは恥ずかしいから言いたくないって合図。
でも、僕がそれで許すはずもなくて。…ちょっと頬を赤くして可愛いんだけどね。
僕は言わないとキスするぞ、と意味を込めて顔を近付ける。


「〜この前っ!」
「この前?」


残念。
直前で彼女が喋り始めてしまった。
でも、多分可愛いことを言ってくれそうな気がしたから、距離はそのままで話を聞くことにした。
あ、視線反らした。
耐えてるんだなあ、きっと。
可愛くて仕方ないよ。


「この前ね、クラス男子が言ってたの。郁ってどれくらいモテてるんだろうねって」
「は?」
「最初はね、気にしないようにしてたの。でもやっぱり…」
「気になった、と」
「……うん」


これは、ある意味ヤキモチってことだよね。
恥ずかしそうに俯く彼女は、僕の心を動揺させる。
男女の付き合いは慣れてると思ってたけど、恋愛となると、やっぱりお互い初心者だ。
そんな考えを隠すように、彼女の額に口付けを落とした。


「…月子、ヤキモチ妬いてた?」
「…妬いてた、かも…」
「君も曖昧じゃない」


ぽつり、ぽつりと話す君の唇も可愛い。
僕が嬉しいと思う言葉を綴ってくれる。


「本当素直じゃないよね、君は」


――お仕置きだよ。


僕はそう言って、彼女にキスをした。








02.王子様とお姫様は結ばれました
(こんな甘い時間を過ごすのは、僕のお姫様である君だけ)







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【王子様とお姫様は結ばれました】











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