「終わったな…」

「ああ、終わったよ…犬飼」

「終わりましたね…」

「ちょっと、そこの三人。何してるんです?」

「…木ノ瀬か。いや、夏が終わったなぁって…」

「インターハイも終わって、俺の恋も終わって…」

「白鳥…」

「犬飼…うぅぅっ」

「意味が分かりません。とりあえず、そろそろ陽日先生と打ち合わせを終えた宮地部長が帰って来ますよ?」

「木ノ瀬…、俺達はそんな場合じゃないんだ」

「そうだぞー!脱☆彼女ナシから今年もまた抜け出せなかったんだー!雑巾掛けなんてやってる場合じゃ」

「だったら何をするんだ、犬飼、白鳥、小熊?」

「「「…あ……」」」

「あれ?宮地先輩、また眉間のシワが増えてませんか?」

「当たり前だ!何をサボっている!!!!」

「「「ひぃいいい!」」」

「あ、否定しないんだ」

「3バカ!お前らはさっさと雑巾掛けをしろ!!!!」

「「「は、はい〜!」」」

「ふふ、今日もまた一段と賑やかだね」

「金久保先輩、お疲れ様です」

「お疲れ様、木ノ瀬くん。お邪魔だったかな?」

「いいえ、先輩ならいつでも歓迎ですよ」

「ありがとう。それより、皆どうしたの?」

「3バカが『夏が終わった』とか言って雑巾掛けをサボったんですよ。で、宮地先輩が怒ってると」

「なるほど。じゃあ、宮地くんの怒りを下げれるいいものを持ってきたよ。はい、これ」

「おはぎ、ですか。ありがとうございます。宮地先輩の眉間のシワが増えていて、おかしくて困ってたんですよ」

「どういう意味だ、木ノ瀬…!」

「それですよ、それ」

「宮地くん、お疲れ様。あんまり怒りすぎても自分によくないよ」

「お疲れ様です、金久保先輩。怒りたくて怒ってるわけじゃないんですが…。…あんこの香りがする」

「鼻、良すぎ!」

「凄いね!差し入れにおはぎ持ってきたよ。皆で食べて」

「ひゃっほーう!金久保先輩、ありがとうございます!」

「マジ旨そ〜!」

「早く食べたいです〜!」

「お前ら!雑巾掛けはどうした!!」

「「「ひぃいいい!」」」

「…懲りない人達」

「ふふ、それがこの弓道部じゃないかな。引退しても、卒業しても、変わらない。あの夏の気持ちを残したままなんだよ」

「…それも、そう、ですね。僕、それがいいです」

「だよね。―あれ?そういえば夜久さんは?」

「日直で遅れるそうです」

「そっか。じゃあ、来るまで待ってようかな」

「あと、あの人達を止めて下さい。宮地先輩含めて」

「あはは!」






過ぎる夏。

変わらない夏。

僕達の夏。









皆様の夏が
いつまでも
キラキラ輝いてますように

拍手ありがとうございます!







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