マーマル外伝

□マ外スクエア−遺跡発掘のススメ?−
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『ベルーダ』無愛想な店主が乱雑に商品を並べ、ほこりを被ったまま放置という売る気が全くないように見えるが、実は貴重な骨董品を数多く取り扱う知るヒトぞ知る名店である

沢山のヒトに仕入れルートを聞かれ、その都度答えるが至極簡単、現地調達である

ハルピュイアの王から遺跡に立ち入り調査し、物を持ち帰り、歴史的価値が無いと判断された物を売却していいという許可を貰っているだけなのだ

この資格は申請すれば誰でも貰え、明日にも骨董屋を営む事は出来るだろう

もちろん迷宮と化した遺跡を攻略し、様々な罠をかい潜りお宝を持ち帰る事が出来ればの話だが



−遺跡発掘のススメ?−



トレジャーハンターの旅には昼夜は存在しない、自分にとって最適な時間に出発するだけだ

大きなかばんに色々詰め込み準備万端、勇んで我が家を後にする

少しの間とはいえ、息子と離れるのは辛いが、生活の為に仕方ないのだ

ただ、最近遺跡で手に入れたオーパーツ、アクセルリング(と、自分で名付けた)のおかげで、移動時間は大幅に短縮出来るようになったので、息子の機嫌を損ねる事は少なくなった

しばらく走り続け、ようやく目的の遺跡にたどり着く、ここからが本番だ

かばんの中からランタン、方眼紙、ペンを出して、ほの暗い遺跡へと足を踏み入れる

未開の遺跡を捜索するにあたって、地図を作成しながら歩く事は常識中の常識、迷子になった時の為だけでは無く、専門家に売り付ければ構造から何に使われていた遺跡なのかわかり、大きな発見に繋がるのだ

もっとも歴史的価値とかは自分にはどうでもいい、いかに凄いお宝と巡り逢えるかが問題だ

もちろん紙の上にペンを走らせる事だけに執着し過ぎると痛い目をみる、どこに罠が隠されているのかわからないのだから

落とし穴につり天井、対侵入者用魔導兵器なんてのも存在する
罠が多ければ多い程、貴重な物が置かれているのがセオリーだ

残念ながらこの遺跡にはキツイ罠が置かれていない、どうやらあまり期待出来そうに無い

地図を書きながら、大きな部屋に出る、今までの経験から言うと、どうやらここは礼拝堂らしい

そして、今までの経験から言うと、このような大広間には隠し通路が存在する確率が高い

礼拝台の下、奉っている神像の後ろ、パイプオルガンの鍵盤が鍵になっているというケースもある

一通り調べて見るがノーヒット、長椅子に座って一休みと腰掛けると、カチッと何かを押す音が聞こえると同時に、パイプオルガンが横に移動し、隠されていた通路が姿を現した

うん、自分は最初からこの椅子が怪しいと思っていたんだ

水筒をあおり、再び探索を続けた
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