テニスの王子様
□無自覚小悪魔
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「にーおっ!」
そう言って走り寄ってくる丸井。
そんな様子に可愛い、とか思っている暇もなく襲ってくる重み。
「ブンちゃん、自分の体重考えんしゃい」
倒れないように踏ん張ったが、自分と同じ体重の丸い豚を支えられたことは奇跡に近い。
「なんだよ、におー。てかブンちゃん言うな」
言いつつ頬を膨らませ睨んでくるブン太。
身長差から上目遣いになる様はそこらの女子より本当、可愛らしい。
「で、一体何の用じゃ?」
「今日ケーキ食いに行こうぜぃ。カップルで行くと半額になんだよ」
そう言いつつ瞳を輝かせ提案してくるブン太。
「ブン太…確かに俺らはカップルじゃが男同士じゃ。世間的には認められん」
そう言えばブン太の大きな瞳が揺らいだ。
「ーっ、確かにそうだけど…でも俺は、におーと行きたいんだよぃ」
照れたように耳まで紅くして視線を背けながら言うブン太。
そんな様子のブン太に仁王はため息をついた。
「そんな泣きそうな顔しなさんな。…今日は俺が奢ってやるけぇ」
そう言えばブン太は満面の笑みを見せた。
(へへ、仁王大好き!)
(全く…無自覚じゃから余計に質が悪いの、)
可愛いブン太に翻弄される仁王\(^O^)/