テニスの王子様

□刷込み
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「におー」


「なんじゃ?」


「腹へったー」


同じクラスで同じ部活となれば、自然と一緒にいる機会は多くなるわけで。


最近ではブンちゃんの行動パターンは大体よめるようになっていた。


「残念ぢゃったな。なーんも持ってないぜよ」


そんな俺の言葉に忽ち不機嫌そうな表情になる。


「…冗談ぜよ。ほら、飴やるから機嫌直しんしゃい」


そう言えばさっきまでとは打って変わって嬉しそうな笑顔。


「さんきゅっ!におー、大好きだぜぃ」


ブン太にとって大好きは深い意味ではないのに、寧ろ食べ物をくれた人への礼みたいなものだと分かっているのに、微かに熱を持つ頬。


そんな自分に嫌気がさしつつも、嬉しさを感じている自分もいて…


「全く、とんだ小悪魔じゃの」


今日も俺はブン太に翻弄される。


(前は飴を持ち歩く習慣なんて、なかったんじゃが)
(やっぱ俺って天才的ぃ)



におーに飴を常備させるという刷込みに成功したブン太。
結局全てはブン太の計算なんです\(^^)/



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