テニスの王子様

□夏祭り
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暑いのは苦手だ。


人混みだって好きじゃない。


「におー。次やきそばー」


俺の前を嬉々として移動するブン太。


今日は地元の夏祭りということで、こうして2人でやって来たのだが。


まぁ、予想の範疇といったところだろうか。


待ち合わせ場所に行った時にはもうすでにリンゴ飴を食べていたし、あれから数時間経った今でもその食欲は留まることをしらない。


「しかし、よぉ食べなさんな」


呆れた表情で呟けばあからさまに眉間に皺を寄せるブン太。


「仕方ねぇだろぃ。こういう所で食うのは格別なの!」


そう言いつつやきそばを頬張る。


「別に食べるのは構わん。ただ、お土産は帰りでも良かったんじゃなか?邪魔じゃろ?」


ブン太の首には2つのお面。


そして俺に託された2つの綿菓子。


どちらも年の離れた弟たちへの土産らしい。


「別に良いだろぃ。どーせにおーが持ってくれんだし」


そう言ってニカッと笑う。


「…全く、とんだジャイアニズムじゃの」


「んなことよりほら!花火始まるぜぃ」


そう言って俺を促すブン太。


まぁ、こんな笑顔が見れるなら暑いのも、人混みも、悪くないかもしれないと不覚にも思ってしまった。


(次はたこ焼きー、てあれ?もう金ねぇや)
(…嫌な予感がするなり)
(におー。買ってくれよぃ)
(…"金貸して"じゃなくて"買って"なあたりがブン太らしいのぅ)


うちのにおくんはとことんブン太に甘い\(^^)/

それが分かってるからこそブン太はわがまを言うのです☆・゚



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