特別な一日
ジョンヒョン「姉さん‥」
名前を呼ばれて振り返った私は、号泣である。
なんで号泣しているかっていると‥
ジョンヒョン「映画の予告だけで泣き過ぎだから!」
そう。
大好きな小説が映画化されるとあって、
私は涙腺をさっきからBGMだけで崩壊して濁流のように涙をこぼしている。
ジョンヒョン「‥なんで3分だけでそんなに泣けるかな…」
「これ、特技だから」
ジョンヒョン「あーはいはい」
軽く流しながら、ジョンヒョンはパソコンの前に座っていた私を椅子から立たせて、
背中を押すように玄関に促す。
「ちょっとちょっと、」
ジョンヒョン「はいはい、続きは観てからね」
「うん‥」
今日、私たちは映画を観に行きます。
ジョンヒョンは深めに帽子をかぶり、耳の横で眼鏡を調節した。
お忍びデートなんて…
とばかにしていたけど、いざやってみるとドアを出る前からドキドキする。
こんなにドキドキする外出は初めてだ。
ジョンヒョン「忘れ物ない?」
「うん…ほ、ほんとに行くんだよね?ι」
ジョンヒョン「だって…その映画観たいんでしょ?」
「いや、うん‥観たいけど…」
ジョンヒョン「なら、行こうよ。俺以外の前で泣いちゃダメだからね、」
そう言って、言ったことにちょっと恥しそうに俯き。ジョンヒョンは帽子をかぶりなおして私の手を繋いだ。
彼氏って言うには・・・若すぎるけど‥
今日、一緒に居れること…
特別だって、思ってもいい?
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