いいえ、きのこです
「・・・・・テミンさんですよね?」
目の前に現れたアッシュブラウンの髪の男の子を、
エプロンをしめた女性は二度見も三度見もするように見つめてから、もう一度名前を伺った。
「・・・・テミンさんですよね?」
「いいえ、キm…きのこです」
「いやいや、テミンさんですよね?」
「よく考えてみてください。僕が、こんなところに来ると思いますか?」
「いや、来てますよね?」
話をする部屋はフローリングの広がる部屋から低い段差だけで、タイルの敷き詰められたフロアにでる。靴についた汚れを取るマットつきで。つまりは玄関先だ。
というか、これはいわゆる昇降口とでも言うのかな。
パーテーションの向こうでは小さな子供たちが上着を着たりリュックを背負ったりしている。
中には眠そうな目をまだ擦っている子も居る。
ここは民間の保育園で、
僕はジョンヒョンに言われてヒョンの子供を引き取りに来てた。
「え・・・、テ、テミンくんの子供?!?」
「ち、違いますっ!ι!」
「・・・・あ、やっぱりテミンくんじゃん」
「・・・・」
これは、僕がこの、目の前の彼女と出会ったおはなし。
.
[戻る]
[TOPへ]