SHINeeの自由帳
□猟奇的な彼女
3ページ/3ページ
楽屋に入ってきた姉さんが、苛々した表情でソファーに座る。
キー「やけに怒ってんね」
僕が部屋にはいると、いつも冷静なキーが素早く反応する。
『すんごい、むかつくことがあったの』
キー「へー」
『イライラして仕事にならない!』
キー「どうすれば治るの?」
キーはさっきから姉さんと目も合わせちゃいない。
姉さんだってそんなキーの態度いつものことだって受け流してる。
奥にいたミノ兄は、そんな様子に気がついて席をこちらに移そうと立ち上がろうとしてる。
そんな姉さんなんかにいちいち構わなくたっていいんだ、って思いながら、僕もドアの前から動かない。
オニュはまだ来ていなくて。
廊下からこちらに向ってきていたジョンヒョンが、部屋に入ろうとした、そんな時だった。
『ジョンヒョンを引っ叩くか、ミノにすんごい無言で甘えるか!したら治るかも!』
突拍子もない回答に驚いたキーが、思わず顔を上げた。
キー「何その答え?」
『ジョンヒョンを叩けば気が止むかなって思ったんだけど、それはちょっと猟奇過ぎるから、だったらミノに甘えたら治るかなーと思って』
キー「ジョンヒョンに甘えるじゃだめなんだ?」
『ただ甘えるんじゃだめなのよ〜♪あたしが甘えたら、ミノは絶っっ対☆困った顔するでしょ??それが、見たーいのっ♪』
姉さんは可愛こぶっていうけど、ぜんぜんそれも猟奇的だから。
ソファーに向おうとしてたミノ兄は、一瞬躊躇したように足を止めたけど、
それでもすぐに、姉さんの横に座ろうとした。
優しすぎる。優し過ぎるよ兄さん…。←ドアの前から動けないテミナ。
姉さんは、(甘えてもいいの?甘えちゃうぞ〜?)って言う目で、愉しそうにミノを見上げる。
その時・・・
僕のすぐ後ろのドアのところまで来ていたジョンヒョンが、勢いよく扉を開けて中に入ってきた。
顔はすでに号泣だった。
ジョンヒョン「やぁだヌナ〜〜ぁ!!(グスッ…)…俺の事、ぶっていいからぁあ…!」
やって来ようとしたミノの間に割り込むように、ジョンヒョンが入って来て姉さんに懇願して縋りつく。
座っていた姉さんも、いきなり号泣で入ってきたジョンヒョンを見て、びっくりした顔をしてる。
だけどすぐに。
ソファーから降りると、床に膝をついてジョンヒョンを抱きしめた。
ジョンヒョン「…っ、俺のことぶっていいからぁぁっ」
泣き顔でぐしゃぐしゃになって叫ぶジョンヒョンの背中を撫でて。
泣き止むまでずっと、いい子いい子しながら、啄ばむようにキスを繰り返した。
最初は、ジョンヒョンが騒ぐのが煩かったのかな、と思ったんだけど、違った。
姉さんはそのうちにキスを止めて、にっこりと微笑んだ。
次の瞬間。
"バチーン"
と、勢いよくジョンヒョンの頬が打たれて。体が大きく傾いた。
目を見開いて、驚いて涙も止まったジョンヒョンを見て。
姉さんはまたにっこりと、微笑む。
『大ぁい好き』
そうやって甘い言葉を吐いて。姉さんはぎゅうっと力強く兄さんを抱きしめる。
姉さんに抱きしめられた兄さんは、その腕の中で・・・
恍惚な表情をしてた。
テミン「・・・病んでる」
.