SHINeeの自由帳X

□ハンカチ
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俺はハンカチを握りしめると、


部屋を飛び出して君が向ったであろう駅に駆け出してた。




駅の階段を駆けあがり、人ごみの中で君の背中を捜す。



もう電車に乗ってしまったかな?と、時刻表に目を向けた時だった。



少し背の高い彼女が、人ごみの中にたしかに頭が見えて。



俺は急いで走り出す・・






・・・が。






いま一歩のところで、俺はハンカチをぎゅっ、と握りしめて止まった。




立ち止まったまま。動けなくなった。




君が・・・





"見知らぬ男の人"といっしょに歩いていたから。




身長は俺よりもはるかに高くて。


背の高い君がまるで子供みたい。


肩までしかない頭を持ち上げて、見上げるように男性を見つめる君の目は優しく嬉しそうで・・・。



俺の胸はいっぱいになる。






(・・・こんなはずじゃなかった)




俺はただ・・・

ハンカチを彼女に返しに来ただけなんだ。






忘れ物だよ・・・

どうしていつも忘れ物をしていくの?


俺の家にまた来たいから?


・・・それなら、


俺はもう君が好きだから・・・


いつでも来て、いいんだって。






そう・・・・





早く・・・





もっと、早く・・言えばよかった。







駅の改札のところで、

俺が彼女とその男の人を見送ったのが最後。


あれから彼女との連絡は一切取れなくなった。



結局のところ、彼女も俺の事が遊びだったのかもしれないし、


俺が思っていたよりもずっと、彼女は上手だったのかもしてない。



いまはきっと、・・・そう思っていた方が、



幾分気持ちが楽だ。












俺の家にはまだ・・君が残したハンカチが残っている――。


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