SHINeeの自由帳\
□DEEPNESS
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女子生徒「あ〜!もうっ!放送室閉まってる・・・・先帰っちゃったんだ・・・」
昇降口に下りる階段のところで、鍵のかかった放送室のドアの前でガチャンッ、と音をたてていた女の子が、諦めたようにばたばたと階段を下りていく。
横を通り過ぎる時に、微かに甘いにおいがした。
下駄箱に行くと、女の子は同じ学年の下駄箱を覗き込んでいた。
「やっぱいないか・・・。どうしよ‥ミノくんのも作っちゃったのに・・・」
女の子が下駄箱を覗いている横で、
"ぐ〜〜・・きゅるる・・"
僕のお腹がいいタイミングで音をたてた。
女子生徒「・・・・」
ジンギ「・・・・」
女子生徒「あの・・、よかったら、食べますか?部活で作ったカップケーキです。ナマモノなんで、早めに食べて下さいね」
女の子はそう言って包装されたカップケーキを1つ、僕にくれた。
会長「おーい!ジンギー行くぞー!」
3年生の下駄箱の方から、先輩が僕を呼ぶ声が昇降口に響く。
ジンギ「今いきまーす」
女子生徒「え、イ・ジンギ・・・っ、!?」
ジンギ「はい?」
カップケーキをくれた女の子は、僕の名前を知るやいなや、みるみる表情を変えていく。それは、困惑したような・・難しい顔で。
僕は訳が分からないままその場を後にした。
12月の寒空の下で、先輩は白い息を吐いて僕を待っていた。
会長「お、なんだそりゃ?プレゼントか?」
ジンギ「そんなんじゃないですよ」
これはまだ、僕が彼女と出逢う前の話。
・・・
ジンギ「カフェオレね」
そう言って僕は彼女にカフェオレを手渡した。
副会長「…いらないわよ」
ジンギ「えーでも買っちゃった」
副会長「いいって、借り作りたくないし」
ジンギ「借りじゃないよ、副会長さんと1年間一緒だから…もらっといて?」
そして3年生。
僕は、生徒会長になった――。
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