SHINeeの自由帳]T

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いつからだろう。



君は、デートの時に一緒に居ても誰かの電話を出るようになった。


それは、仕事であったり、仕事でなかったり。


仕事が増えてきて嬉しいのもわかる。


でもだんだんと、違う感情の方が大きくなってる自分に気づいた。


・・・・退屈な時間が流れていく。




決して、過ごした時間が悪かったわけじゃない。


ただお互いの距離が、近くなっていた気がしていたのに、遠ざかっていただけ。


嫌いになったわけじゃない。


俺はまだ彼女が好きだ。


世の中には、別れる男女と別れない恋人同士がいて、俺は断然後者だと思ってた。


俺は世界で一番彼女を愛しているし、彼女以外を好きになんかならない。


初めて会った時から彼女だけが好きだ。

電流が走ったような衝撃を受けて、彼女しか見えなくなった。


これは俺の中で真実で事実だ。


だけどどうしてだろう‥。



うまく、噛み合わないのは。




よく聞く別れのゴシップみたいな理由で別れるんじゃない。


お互いが面倒になって別れるんじゃない。



ただ、会って‥。




「久しぶり。仕事で忙しかったの‥そっちは?」


「俺も忙しかったからお互い様」


「そうよね。・・ねぇ、帰り大学まで送ってくれない?」


「大学?」


「妹が忘れ物しちゃったのよ。ICカードだから届けてあげないと」


「いいよ」



お互いの安否を確認し合うだけの形式だけの会合なんて、デートとも呼べない。


俺は君の何のための俺なんだろう?って。


この関係になるのが、義務なんじゃないのかって。


自問自答して。君に笑うこの顔も、作り笑いみたいで嫌だ。




君は綺麗に笑って見せるけど、



俺にはこの先の終わりがちらついてて怖いよ。


怖いのかな、安堵なのかな。でも寂しくて。一言では表せない感情。




君の妹とはそんな時に出会った。



君と僕の関係はとっくに冷め切ってた。




いつ別れるのかって顔色を窺う君の視線が刺さるように痛くて。


苦しくて。



別れを切り出さなくちゃいけないのかって何度も自問自答した。


俺はまだ君が好きで。



それでも君は俺に、俺から別れを切り出して欲しいみたいなんだ。


顔色を窺う君は、


俺の愛は重荷だと、目で訴える。



別れの時間が、時計の針みたいに近づいてきて、俺に警鐘を鳴らす。



もう俺たちに時間はない。



君は、「いいお友達に戻りましょ」と言うけど、


正直俺はもう、君と友達にはなれない。



こんなに好きなのに。


ただの友達になんか、なれるわけがない。





ジョンヒョン「・・・・いいよ、」



俺は、口先だけの挨拶として別れ際にそう彼女に告げた。



彼女は俺の好きな笑顔で綺麗に笑って、「ありがとう」と手を差し出した。



俺はその手を握り返す。





その手はもう、緊張して震えてたあの頃の手じゃなかった――。








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